Movie

『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』

脚本:戸田山雅司 監督:和泉聖治
ゲスト:木村佳乃 西村雅彦 原田龍二 松下由樹 津川雅彦 本仮屋ユイカ
    柏原崇 小野寺昭 細山田隆人 有森裕子 岸谷五郎 平幹二郎 西田敏行


並盛、腹七分目。
決して満足できない量ではないものの、満腹までには今一つ物足りない。
端的に言えばそんな印象を受けました。

いやね、悪くはないんですよ、通常シーズンと比べてもそれなりに評価できる内容。
だけどまだ詰め込めるだろうと思ったんですが、欲張りですかね。
例えば平時の2時間SPだと、マラソンが終わった後に、
無理からにでももうひとつ違う事件を詰め込んできそうな気がするんですよ。
そういうのを見慣れてしまってるもんで、劇場版ともあろうものが
マラソンの件だけでパッと終わったのは正直意外でした。
まぁ話広げ過ぎて失敗するパターンも平時では多々見てきていますので
一概に詰め込みゃいいとは言えませんが。


で、ここからは私の勝手な妄想なんですが、
どうやったらこの話を更にお腹いっぱいなモノに出来たかという、本当に勝手な妄想。
まず、黒幕の後ろにさらにもう一枚どす黒い幕があったとか。
そもそも西田局長にSファイルの存在を知らしめたのは誰なのか。
例の肌身離さず持っていたエアメールがそうだとするには具体性に欠ける気がしますし。
んで、結局今回の一件で一番得をしたのは誰かと言えば、片山雛子なんだろうなぁ
ファイルの存在を明らかにすることは、伏魔殿浄化&自身の相当なイメージアップに繋がる。
それはファイルの存在を知った時に思いついた。
でも世論がエルドビアの事件を忘れ去っている今言ったところで大した効果は期待できない。
だったら皆がそれを思い出すように仕向ければいい。その手段には遺族を使うのが最適と、
とことん雛子を悪女に仕立て上げる話にすることも可能だったかなぁとか思ったり。
雛子を狙ったラジコン爆弾も自身を疑われないようにする一手段だったとか。
まぁ事件後というタイミングで鹿手袋にファイルの収集させてる時点で
これはあり得ない話なんですが。
(でも事件前の雛子が果たしてどれ程Sファイルについて知っていたのか
 そこがどうにも曖昧に思えてきたなぁ)
陰謀論とかが大好きなガキの妄想です。ハイ。


とりあえずあらすじを知った段階で一番心配していた
反戦イデオロギー剥き出しな映画になるまいかという危惧は外れてくれました。
テーマこそまさにそれなれど、要素は比較的薄めだったかと。
ただ同時に薄くなくてもいいのに薄かったのは、お遊び的要素。
アクションの方向に重きを置いたためか、話の流れで笑わせてくれるみたいな
ちょうど『見所ダイジェスト』で扱いやすい要素がちょっと少なめだったかなあ
それでもあえて取りだしてみれば

・警視庁警護部に惚れ込まれる薫ちゃん
 ああ、他局だが薫ちゃん「SP」への出演決まったな。
 しかしそれが元で右京さんにしょんぼりだとかどんだけ右京さんスキーやねん
「お前にしかできない仕事」としてSNSに常駐する陣川警部補(本業経理)
・実は課長よりよっぽど出番が多かった大木・小松の組織犯罪対策課コンビ
・劇場版でも皿を戻す小野田官房長
劇場版でも客がいない花の里
・Sファイルなんて爆弾抱えてるんだと雛子に語りかける瀬戸内元法相
 でもアンタんとこにも『黙示録』なんていう相当な爆弾あったじゃない
 つかこの発言やっぱり瀬戸内さん存在自体知らなんだのだなぁ(6期最終話参照
・びっくりするくらいチョイ役だったヒロコママ
岸谷五郎(友情出演)
・御厨元総理の強烈なカメラ目線での驚愕顔

まぁ他にも何点かあったんですが、平時よりはやっぱり少ないなという印象が。
こう言ったらアレですが、5期の『バベルの塔』の方が
エンターテイメント性だけで言えばより映画向きだったかなぁ
でも本当にアレを劇場版にしたら「内容そのものが薄い」と確実に不満は漏らしてますが。


それと今まで挙げたこと以外で気になった細かい点を何点か。
そもそも事件でチェスするなよとかマラソン前の殺人事件はどうやって行ったんだとか
そういった大味過ぎる点は敢えて除けています。
その辺の無茶苦茶さは、何というか、慣れた。

・慣れたけど気になる点として、西川女医っぽい被害者の所を特命が訪れた理由
 まぁ例の処刑リストにある人間のトコ片っ端から当たって行ったんだろうけど、
 だったらそういう描写を入れておいてくれたらなぁー
・マラソンの後日談がまるでない件
 別に花の里でたまきさんが感想ちらっと述べるだけでも、
 あるのとないのでは、また時間の流れがより読めた気がする。
・木佐原父の告白に対する右京さんの反応
 「あなたのしたことは間違っています」
 まぁ、それだけでも良識ある親父さんには十分伝わったんですけども
 例えば孤児院存続のために子供を攫った管理者に「子供を預かる資格など無い」とか
 そんな右京さんらしい強烈な皮肉の籠った反論をしてほしかったなぁ
 それだけでも個人的には話全体の評価が大きく変わったと思う。

以上長々と書いてきましたが、
やっぱり巨大スクリーンでいつもの面々が見れたので楽しかったです。
それだけでも十分な価値はありました。



【劇場のいたみん】


でもやっぱり一番の収穫と言えば
巨大スクリーンでいたみんの雄姿が見れたことです。

何せボート運転するんだもん。どこでそんな技術覚えてたんすか
(船外機なので素人でも簡単に扱えるのかもしれんが)
スーツでボート、一見全く不釣り合いに見えるこの組み合わせが
尚のこと伊丹を引き立たせてたと思うんです。
時間にして1分とか2分とかそんなレベルだったものの、
あそこが私のクライマックス。



クライマックスなのにエンジンをかける姿を描けない己が技量に泣いた。
アレが一番画になったのに。

あと折角のサラウンドなのに『特命係の亀山ァ〜』がなかったのもやや残念。
「特命係の亀山」との呼称は出てきたものの、いつもの罵りじゃあなかったので。


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